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ソーシャルリスニングとは?概要や方法について

マーケティングにおいて、消費者の声を収集し、商品やサービスに反映することは非常に重要です。それはインターネットが普及する以前からも言われており、企業はアンケートなどを通して消費者の声を集める努力をしてきました。

近年ではTwitter、Instagram、FacebookなどのSNSが普及し、個人が簡単に情報を発信できるようになりました。それらの情報を活用することは、Webでの施策、サービスの改善など、さまざまなことに役立ちます。

今回は、これからソーシャルリスニングに取り組んでいこうと考えている方に向けて、その概要や方法、分かることについて解説します。


目次

  1. ソーシャルリスニングとは?
  2. ソーシャルリスニングの流れ
  3. ソーシャルリスニングの方法
  4. ソーシャルリスニングで分かること
  5. ソーシャルリスニングの具体的な2つの事例
  6. まとめ


ソーシャルリスニングとは?

ソーシャルリスニングとは、Twitter、Instagram、Facebookなど代表的なソーシャルメディア(SNS)に加えて、ブログ、掲示板、レビューサイトなどに発信された情報を収集・分析し、マーケティングに活かしていくことを指します。

消費者の声を収集する際にアンケートを行う企業も多く存在しますが、集められるアンケートの数には限りがあります。また、基本的に質問項目は企業側が用意しているため、得られる情報も限定的なものになるでしょう。

「書き込んだ内容を企業側に見られる」という意識がある場合、正直な意見を書きづらいという消費者もいると思います。

一方、SNSでは日々さまざまな人が、個人の考えや感じたことをより自由に、正直に発信しています。

SNSで発信される情報を分析することは「消費者のリアルな声」を知ることにつながるのです。

消費者に寄り添ったマーケティングが重要と言われる現代において、ソーシャルリスニングは、マーケティングに大きな影響を与えていくことが予想されます。


ソーシャルリスニングの流れ

ソーシャルリスニングは大別して、

  1. 「知りたいこと」の決定
  2. 分析対象の定義
  3. 情報収集・分析

という3つのステップで行っていきます。


1.「知りたいこと」の決定

まずは何についての情報を収集し、分析したいのかを決定します。

自社の評判や競合への評価、特定のサービスに対する口コミなど、ソーシャルリスニングで収集できる情報は数多くあります。

SNSで分析すべき内容かどうかも含めて検討する必要があり、ここでの決定は、分析対象となるキーワードやセグメントにも影響します。


2.分析対象の定義

次に分析対象となる母集団を決定します。

大きくアカウント(発言者)を対象とする場合と発言内容(キーワード)を対象とする場合に分かれ、さらに詳細に「どんなキーワードやアカウントを対象とするのか」という部分を設定する必要があります。


3.情報収集・分析

実際にツールなどを使って情報を集め、その傾向を見ていきます。

発言の件数だけでなく、それを「ポジティブ」「ネガティブ」「ニュートラル」に分けたり、具体的に何に対してポジティブなのかを深掘りしていくことが必要です。

また、ソーシャルリスニングの分析においては定量、定性の両面から分析していくことが重要です。



ソーシャルリスニングの方法

分析


ソーシャルリスニングを進めていく上での基本的な方法は、

  1. 数値分析
  2. 投稿・アカウント分析
  3. セグメント分析

に分かれます。

例えばマーケティングを目的とした場合、数値分析では、指定したキーワードを含む投稿件数を抽出し、その後投稿ユーザーにつながりのあるアカウントの数(リーチ数)や、その投稿のポジティブ、ネガティブ割合などを算出していきます。

次に投稿・アカウント分析では、抽出した投稿に含まれる頻出キーワードの割り出しや影響力の高いアカウントの割り出しなど、より詳細な分析をしていきます。

そして3つ目のセグメント分析では、1.2.で得た情報を、さらに細かく分類していきます。

投稿の内容を「関心」、「推奨」、「購入」、などのいくつかのセグメントに分け、それぞれの傾向を見ていきましょう。

これにより、実施した広告にユーザーがどんな反応を示しているかを知ることができ、今後の施策に反映しやすくなっていくでしょう。

どの段階でも定量、定性の両面から分析していくことが大切で、「数値」と「ユーザーの心情」、どちらも念頭に置いてデータを活用していく必要があります。

それでは実際に、これらの分析によって「ソーシャルリスニングで分かること」を具体的に解説していきます。

関連記事:マーケティングに役立つ「ソーシャルリスニング」の分析方法や活用法


ソーシャルリスニングで分かること

ソーシャルリスニングから知ることができる情報は、多岐に渡ります。分析結果をどう紐解くかによって、導き出される結果は変わってきます。

ここからは、ソーシャルリスニングによって分かることをいくつか例に挙げ解説します。


業界や消費者の動向が分かる

SNSでは、自社についてだけでなく、競合の評価、業界への印象、消費者が求めていることなど、さまざまな情報を収集することができます。そしてそれらを定期的に観測していくことによって、消費者や業界の動向を把握することができます。

また、SNSで発言しているユーザーの属性などを分析することで、潜在的なニーズを発見することも可能です。これにより、新たな顧客層の発見や、関連商品の企画に役立つこともあります。


口コミや評判が分かる

口コミや評判が重要というのは、マーケティング担当者でなくてもほとんどの人が理解しているでしょう。平成28年の総務省の調査によると、8割以上のユーザーが口コミやレビューをもとに商品購入を決定している、という結果が出ています。
(総務省|平成28年版 情報通信白書|情報資産)

SNSで収集した口コミや評判をもとに、商品改良を行ったり、キャンペーンや広告施策を工夫したりなど、マーケティングにも大きく役立ってきます。

ソーシャルリスニングでは口コミサイトなどに比べ得られるデータ量が多く、統計的に分析することもできるため、より精度の高い「消費者の声」を得ることができるでしょう。


ブランドイメージが分かる

SNSでは消費者のリアルな声を収集できるため、会社やサービスへのイメージをより正確に把握することができます。

ソーシャルリスニングを通して投稿を分析することで、今後のブランディング戦略の決定に役立ちます。

ブランディングに成功することは、消費者の意思決定までの時間短縮や、購入時の安心感にもつながるため、非常に重要であると言えるでしょう。


消費者のニーズが分かる

アンケートやお客さまセンターなどで得られるニーズはごく一部です。

ソーシャルリスニングを行うことで、多種多様なニーズを把握することが可能です。

SNS上の投稿には、「消費者が商品やサービスに何を求めているか」が隠れています。

多くの投稿のなかから傾向を分析し、どのような機能を求めているのか、どの程度の金額なら購入するかなど、さまざまな要素を抽出することで、今後の商品やサービスの改善に役立てていきましょう。


リスク検知ができる

消費者が多くの情報を得られるようになった今、SNSの情報から自社の印象を把握しておくことは非常に重要です。

自社のブランドイメージや口コミを把握することによって、風評被害などを未然に防ぐことにもつながります。


広告施策の方向性が分かる

SNSでは、リアルタイムで消費者の感じたことが投稿されています。

それを収集し、分析していくことで、テレビCMやインターネット広告など、自社が行っているプロモーションに対する消費者の印象を知ることができるのです。

その反応から、クリエイティブの内容や露出の仕方を改善するなど、プロモーションのPDCAをより早く回すことも可能です。

関連記事:ソーシャルリスニングって効果あるの?メリットやデメリットについて



ソーシャルリスニングの具体的な2つの事例

分析


SNS上のデータを分析することは、「消費者の本音を知る」ための重要な手がかりになります。

その活用の仕方は企業や状況によってさまざまで、

「掃除機への機能批判を察知し改善、売上を伸ばした家電メーカー」

「ボーカロイドの需要を早期に察知することでヒット作を生み出した音楽事務所」

など、SNSの情報をもとに事業を成功させた会社は数多くあります。

ここからは、実際にソーシャルリスニングを活用した際の事例を2つご紹介していきます。


朝日新聞社~ツールを活用し、“世の中の声”を反映させた紙面作り~

発行部数約650万部を誇る全国紙「朝日新聞」や会員数260万人を誇る電子版「朝日新聞デジタル」を提供する朝日新聞社。

SNSなどから得た情報を分析することで、よりリアルな“世の中の声”を反映した紙面を作ることを目指しました。

しかし、従来は外部の研究機関からデータを取得、その後執筆、という流れだったため、公開までに数ヶ月を有することもある、という課題を抱えていました。

その後ソーシャルリスニング・プラットフォーム「Crimson Hexagon ForSight™ Platform」を導入し、世の中のブーム・社会現象が「本当に話題になっているのか」を素早く分析してその根拠を探ったり、読者からの反響をTwitterの投稿から把握したりし、記事作りへの反映を実現しています。

「リアルタイムな声」が非常に大切なメディア業界での、SNSの重要性とスピーディーな分析の有用性を示す結果だと言えるでしょう。

参考:(株式会社朝日新聞社|導入実績|株式会社ブレインパッド)


SNSの投稿画像を解析し、ドリンクの消費シーンを分析

食品メーカーにとって、自社商品がどのような生活シーンで消費されているのかを把握することは、消費者心理を深く理解するための重要課題のひとつです。

株式会社ブレインパッドでは、日本コカ・コーラ株式会社のプロジェクトの一環として、SNSの投稿画像をAIで解析し、ドリンクの消費シーンを分析しました。

従来の消費者意識の把握に加え、機械学習などを用いた画像解析を行い、SNSの投稿画像から消費シーンを分析する取り組みを実施し、「特定ブランドのドリンクが写った画像のみ」を抽出し、一緒に撮影されている物体、背景、人物の表情まで解析を行いました。

それにより、消費者がそのドリンクを飲むシチュエーションや、一緒に食べられている食料品などを解析し、「実際にドリンクがどのような生活シーンで飲まれることが多いのか」を可視化することに成功しました。また、季節の行事ごとの消費傾向の違いなどを解析しました。

(参考:ブレインパッド、SNSの投稿画像をAIで解析し、ドリンクの消費シーンを分析)

関連記事:ソーシャルリスニングの活用法。「テキストマイニング」で効果的な分析を


まとめ

マーケティング担当者の方、経営者の方のなかには、「自分はあまりSNSを使わない」、「SNSの分析は複雑で分かりづらい」、そう感じている方も多いかもしれません。

しかし現在、SNSの利用者数は国内で7,000万人を超えます。

SNSを通じてユーザーとのコミュニケーションをとること、情報を把握することは年々その重要度を増しているのです。

ソーシャルリスニングは、そういったSNS時代に重要なマーケティングの手段と言えます。効率的に消費者の声をマーケティングに反映し、時代と消費者に寄り添ったサービスを提供していきましょう。

ブレインパッドへのお問い合わせは、こちらからお気軽にどうぞ。

株式会社ブレインパッドはCrimson Hexagon ForSightの日本の総代理店です。